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奇妙な話

​赤ん坊
母屋の中は薄暗く土とカビ臭さが鼻につく。
湿っぽい薄い布団の上で赤ん坊はもぞもぞと動く。
ときたま、喉の奥で痰が絡んだようなこもった咳をする。
ゆっくり離れていくガマガエルを無造作に掴み自分の近くに引き寄せる。
布切れを体にかけ、どしっと寝転んで、鼻で深いため息をついた。
止まった時間
老人は座ったまま目線を下に向けている。
タバコを取り出し火をつける。
煙が老人を覆った。ゆっくりと上る煙、時計の秒針、
確かに時間は流れている。
深くタバコを吸ってはゆっくりと煙をはく。
かつてこの場所でおこった何気ない生活の残像。
その光景は時間が止まったまま。
奇妙な話1赤ん坊story
奇妙な話2止まった時間story
奇妙な話
真夜中の宴会story

真夜中の宴会

 

真夜中に目が覚めてしまった。

すると何やら下が騒がしい。陽気に話す声、笑い声。

恐る恐る暗い階段を下りていく。騒ぐ声はだんだん大きくなる。

廊下を見ると障子に映るのは宴会をしている大人たちの影。

怖くて立ちすくむ。

 

子供の頃、夜はお化けや妖怪の時間だと思っていた。

おしっこで目が覚めた時、トイレに行くのに勇気がいった。

障子越しに見た騒ぐ大人たちの影はまるで妖怪の姿だった。

真夜中の宴会
流言飛語

流言蜚語

 
事実とは異る伝聞。確かな証拠もない噂。
最近街で噂のよく当たるという占い屋。
詳しいことは何もわからないが、良い噂が流れれば行列ができる。
確かではない話だからこそ、人が人を呼ぶ。
​行列に並んで本当に幸せになるのか…。

 

心、空
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